有田焼女子絵付け職人の日記

佐賀県有田町で有田焼の絵付けをしている、食べるの大好き1人暮らしの40代女子です。 有田町のことや、職人としての日常を書いていくブログはじめます!

食欲の秋になりました こんにちは!有田大好きMisatoです!

私は有田焼の絵付けでも、色塗りの工程を担当しています。
1つの焼物ができあがるのに、たくさんの工程があります。
それぞれに高度な知識や技術が必要なので、効率化のために分業にして、技術を高めていますよ

違う工程も知りたいなと思ったので、去年は型の研修に続き、今年は有田伊万里焼物工業組合のろくろ研修に行っています。
1回5時間、20回の研修コースです。

有田町のお隣の伊万里市大川内山での研修です。
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大川内山は、伊万里焼の産地です。
江戸時代に有田から高い技術を持った陶工たちを集め、献上用の高級食器が作られた場所です。
鍋島藩は磁器の技術の漏えいを防ぐために、人の出入りを制限していました。
職人を囲うため、後ろが切り立った山のある大川内山が選ばれたのですね。
前には関所がありました。写真の2本の柱が関所跡です↑。
陶工たちは、制限された場所で暮らしていたんですね。
今の時代には考えられませんが、そのおかげで高い技術の磁器が作られています。

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今も伊万里焼の窯元がたくさんあります。
雨あがりは、霧が山をおおって、幻想的です。

ろくろ研修の生徒は8名です。
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みんなろくろ経験者で、初心者は私だけ

まずは、土を練る練習をします。
ろくろをする前に土の中の空気をしっかり出しておかないと、焼いたときに割れてしまいます。
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先生のお手本です。土を時計回しに回しながら右手で土を押して空気を押し出します。
土を回すのもやっと回せるようになりました!とっても難しいんですよ!土練り!!

3回めまでは土練りの練習をして、4回目からやっとろくろを回し始めました!
先生のお手本↓
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土をろくろの上で上げたり下げたりしながら、土のひねりをまっすぐにしていきます。
これをしないと、お茶碗などの形を作るときグネグネになるそうです。
うまくコツをつかまないと、土練り同様、ろくろでの土の上げ下げもできません
2回上げ下げの練習をしました。
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↑私。あまり土が上がってないですね

20回しかないし、うまくできてなくても、なんとか合格をいただきました
次回からハマと呼ばれる焼物を焼くときに下に敷く素地を作る工程を練習できそうです
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有田の窯業大学に通っていた人から、ろくろの道具を借りて、準備ばっちりです




こんにちは!有田大好きMisatoです!

有田町には、月に一回、朝の六時半から始まる朝飯会というミーティングがあります。

朝飯会は、57年前に、東京丸の内から始まり、大阪、横浜、札幌、帯広、七尾、栃木、長岡、波佐見、有田と広がったそうです。
全員が自由に話す場で、良い人が集まれば良い結果が生まれるとの発想だったらしいです。

有田朝飯会は、地域活性化の交流の場になっています。
イベントの紹介があったり、町外からの視察の方、議員、経営者、大学の先生、など幅広い方がみえられます。
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10月の朝飯会は、36名の参加がありました。
・有田町とお隣の波佐見町との連携
・南島原の観光協会からのお知らせ
・ワーケーションやインターネットを使った会議のためのインタネット環境整備の重要さ
・波佐見、有田、そのほかの地域のイベント情報
・有田の伝統建築保存地区を保つたいへんさ
・有田の食
・学校の取り組み
などなど、とてもワクワクするお話しが聞けました!

一番思ったのは、観光に来てもらったお客さんに喜んで帰ってもらう。そしてまた来てもらうということが大事だということです。
そのためには、有田観光だけでなく九州として、もっと広い地域で連携して、幅広い選択肢を与えられる魅力的な観光を作っていく必要があるということでした。
また窯業の観光でも、有田焼だけでなく、周辺の磁器の生産地が一体となり、それぞれの地域の焼き物の特徴は活かしながら、肥前窯業圏として活動しています。

今日の朝飯会は、キッチングランマでありました。
朝ごはんは、盛り付けもすばらしく、おいしかったです
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有田観光の新しいお土産も披露してもらいました
天馬堂さんの白磁彩菓
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↑有田焼を代表する絵柄のアイシングクッキーです。
九州陶磁器文化館、有田駅、キッチングランマ、セレクトショップboul、日本料理保名などで購入できます。


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↑有田町にも立ち寄る列車、ななつ星in九州専用のクッキー
柿右衛門様式の絵柄です。

今回の朝飯会で紹介のあった、お隣武雄市での、緑米の収穫イベントに参加しようと思います
緑米は古代米で、もち米です。
オーガニックの農家さんで、収穫の後の昼食も楽しみです

これからも、有田町や肥前窯業圏の魅力を、個人ながらも発信していきたいと思います







有田大好きMisatoです!

私は有田焼の窯元に働いていて、上絵付(釉薬の上に絵付けをすること)の色塗りの仕事をしています。
お仕事は分業制で、実は自分の担当の仕事のことしか知りません

有田町には陶磁器組合があって、組合員の会社員は格安で絵付けの研修や、ろくろの研修をうけることができます。
半年コースで、な、な、な、ナント!2000円なんです
窯元に就職したばかりの人や、自分の担当以外の有田焼の工程をしたい人が行ったりします。


焼物は、ろくろで作る方法と、型で作る方法とあります。

去年は型の研修に行きました。
なんとなく工程、材料、道具などはわかりましたが、型の授業は8回しかないので、時間に追われて家でも作業して、何とか終わりました。

私は型は、機械で作るものだと思っていましたが、全部人の手で作るものでした。
型を作る手順をごく簡単に説明すると、、、

①原形を石膏で作る。石膏をカップならカップに、箸置きなら箸置きにデザインどうり削って作ります。

②土(焼き物の)で土手を作ったり、周りを薄いプラスチックの板で囲んだりして、石鹸水を塗った原形を囲いの中に置いて、石膏を流し入れます(石膏から原形を取り外すとき、石鹸水を塗っておくと外れやすい)。

③石膏が固まったら、土や、プラスチック板を外し、原形も取り外して、型の出来上がり!

出来上がりは、2割ほど縮むので、それを計算したり、型の大きさを計算したりと、いろいろなことがあります。
石膏は、すぐに固まるので、タイミングが大事です。

型は200回くらい使えるそうです。


写真もっと撮っておけばよかった

写真少しですが、、、
↓型が完成して、その型を使って焼き物の素地(きじ)を作りました。
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↑箸置きの素地を型で作って、素焼き後、絵をつけるために、下書きをします。

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↑型で作ったカップ 表面をわざと引っ掻いてザラザラ感のある模様にしています。素焼き後の状態。

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↑左上が箸置きの型で、右上がカップの型です。
型は、石膏で作ります。
左下は完成した箸置きです。(絵をつけてみました
右下は完成したカップです。マット釉で仕上げました。
箸置きの型は圧力をかけて生地を作る石膏型、カップの型は、泥漿(でいしょう)を流して生地を作る型です。

箸置きもカップも、大事に使ってますよ
改めて、焼き物はたくさんの工程を経て作られているんだなぁって思いました。

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